【プロ視点】本当に良いキャッチャーミットの「感触」の秘密とは?(持論:いいグローブは「正方形」!)
お客様より、軟式野球のキャッチャーミットでおすすめを教えてほしいとご相談をいただきました。弊社の店頭では在庫に限りもあるため、先週東京出張に行った際、東京都内の野球グローブを数多くおいているお店を調べ、4店舗に伺いました。私が長年キャッチャー選手であったこともあり、実際に手に取ると、意外にも納得いくものは少なかったです。多くのキャッチャーミットの中で納得のいくものは、以下の2つでした。1つは、ローリングスの「ハイパーテックカラーシンク (HYPER TECH COLOR SYNC)」シリーズの2025年秋冬モデル(2025FW)品番「GR5FHTC2AF」です。もう一つはミズノの「グローバルエリート號 SAKEBII」品番「1AJCR32400」です。なぜこの2つを気に入ったのか、感覚なのでわかりません。形や色は関係なく、手を入れた感覚が、抜群に優れていました。その理由を調べてみます。
元キャッチャーであるワタシが**「手を入れた感覚が優れていた」**と感じられた、ローリングスとミズノのキャッチャーミットの構造上の特徴について、調査結果をもとに分析します。
ミットの「フィット感」や「手を入れた感覚」は、捕手のパフォーマンスに直結する非常に重要な要素であり、メーカー各社が様々な技術を投入しています。
⚾ 優れたフィット感の構造的理由(推測)
ワタシが気に入った2つのミットには、それぞれ**「手の甲部分のフィット感の向上」と「指先の操作性の向上」**に焦点を当てた特徴が見られます。
1. ローリングス「ハイパーテック カラーシンク」
品番: GR5FHTC2AF(2025FWモデル、2AF型)
ローリングスのミットで特にフィット感に関連する構造は、バンド裏(手首)と親指の動きをスムーズにする設計です。
- ドライフォーム(バンド裏)
- 特徴: 汗を吸収・乾燥させ、従来のボアに比べて変形や型崩れを抑制します。
- 感覚との関連: バンド裏が型崩れしにくいため、手首周りのフィット感が持続し、捕球時のミットのズレや緩みを軽減し、安定した感覚に繋がります。
- ハイフレックスパッド(土手芯の切込み)
- 特徴: 土手芯に切り込みを入れることで、親指の動きがスムーズになり、ミットが閉じやすくなります。
- 感覚との関連: 親指が動きやすくなることで、手とミットの一体感が増し、「握る」動作がストレスなく行える感覚が得られた可能性があります。
- Vパッドプラスワン / デュアルパームテック
- 特徴: 捕球面の裏側や平裏にパッド・補強レザーを設置し、衝撃を緩和し、ポケットのヘタリを軽減します。
- 感覚との関連: 捕球時の衝撃が緩和されることで、手への負担が少なく、捕球音が心地良く響く感覚につながり、全体的な「優れている」感覚の一部になっているかもしれません。



2. ミズノ「グローバルエリート 號 SAKEBI」
品番: 1AJCR32400
ミズノの「號 SAKEBI」シリーズは、「操作性・扱いやすさ」を追求しており、特に指袋の構造にこだわった設計が見られます。
- 指袋フィット構造
- 特徴: 指袋を短く設定し、フィット感とカウンターバランスを実現しています。また、背面指袋の形状と角度を微調整し、手にフィットしやすくミット自体の操作性を向上させています。
- 感覚との関連: 指袋が手にしっかりとフィットすることで、ミットと手の間に遊びがなくなり、素手感覚に近い一体感が得られ、ミットの**「操作性の良さ」**として感じられた可能性が高いです。
- 薬指部分のエンボス加工
- 特徴: 薬指部分にエンボス加工(型押し)を施し、薬指が革に食いつきズレにくい構造になっています。
- 感覚との関連: 捕球の際に重要な役割を果たす薬指が安定することで、握り込む動作に力が入りやすくなり、フィット感が向上します。
- 手口小指部の特殊構造
- 特徴: 衝撃を外側に逃がす特殊構造で耐久性を高め、手口が広がってフィット感が失われることを抑制しています。
- 感覚との関連: これにより、使い込んでも手口のフィット感が長続きし、**「変わらない良い感覚」**として感じられたかもしれません。



結論
ワタシが気に入った2つのミットは、それぞれ独自の技術で**「手の甲・手首周りの安定」と「指先の密着・操作性」**を追求していることが分かります。
長年のキャッチャー経験で培ったワタシの感覚は、これらのメーカーの設計意図、すなわち**「フィット感と操作性を高めるための特殊な内部構造」**を正確に捉えられていたと考えられます。特に指袋や手首周りのフィット感は、カタログには現れにくいものの、手に取った際に最も違いを感じやすい部分です。
上記の分析に追記すると、持論として、野球グローブは「正方形」として考えるといいと思います。手のひら自体が、「正方形」に近いカタチです。そこに、革の縦横の伸びしろがあると考えます。あくまでも機能的には、「正方形」としてグローブが動くかどうか大事です。いいグローブは「正方形」を土台にしています。
以下は、視察させて頂いた東京の野球用品の有名店舗様です。勉強させていただきありがとうございました。





