【野球ソムリエのグローブ物語】湯もみと刺繍に込められた親子の愛情:「力を抜いて、それなりに」
🍀力を抜いて、それなりに。親御さんの愛情が詰まったジュニアグローブ
先日、ジュニア軟式野球グローブの型付けをさせていただきました。そのグローブには、親御さんの深い愛情を感じる特別な刺繍が施されていました。
それは、「力を抜いて、それなりに」。
野球という競技において、時に肩に力が入ってしまう子どもたちへ送る、優しくも深いメッセージです。この言葉を常に手に触れるグローブに入れることで、お子様がプレー中にリラックスし、楽しむことを思い出せるようにという親御さんの願いが込められているのでしょう。私たちも、その温かい思いに応えるべく、丁寧に型付けを行いました。まずは外観のチェックをします。ミズノ・グローバルエリートです。皮質が良く、品質の高いグローブで、やや硬めです。



🧤私の型付けのこだわり:湯もみを「極力しない」理由
弊社の型付けの方針として、私は**「湯もみを極力行わない」**ことを基本としています。
湯もみは短時間でグローブを柔らかくする優れた技術ですが、革本来のハリやコシ、耐久性をわずかに損なう可能性があると考えているからです。野球道具としてのグローブの寿命を長くし、お子様自身の握力を使って育てていく過程を大切にしたいという想いがあります。
しかし、例外も設けています。それは、中学生の女子選手、または小学校低学年など、まだ握力が十分に発達していないお子様のグローブです。
今回ご依頼いただいたジュニアグローブは、まさにこの例外にあたります。握力が少ないお子様にとって、硬すぎるグローブは捕球の妨げになり、かえって野球が難しくなってしまう可能性があります。そのため、捕球の楽しさを最大限に引き出せるよう、今回は特別な配慮として「湯もみ」を施し、すぐに試合で使える柔らかさに仕上げました。スチームで加温・加湿しましたが、湯もみを選択しました。お湯(40℃から60℃)に付けた後は、ローションで保湿します。皮が乾燥してカサつくのを防ぎます。






🤝信頼が結ぶ、遠方からのご依頼に感謝
以前には、お父様の内野手用グローブの型付けも担当させていただきました。
「野球ソムリエ」としてホームページで公開している私の考え方や、道具へのこだわりを信頼してくださり、遠方からグローブをお預けいただけたことは、何よりの喜びであり、誇りです。
道具の力を最大限に引き出し、プレーヤーのパフォーマンス向上をサポートする。これが私の使命です。
これからも、一つひとつのグローブに込められたストーリーや、親御さんの想いを大切に、「野球ソムリエ」として最適な型付けを追求し続けてまいります。



捕球面がやや柔らかくなったので、内部のグリス量を調べました。十分な量でしたので、充てんの必要はありませんでした。
P.S.: 「力を抜いて、それなりに」の言葉通り、このグローブがお子様の野球生活を楽しく、充実したものにしてくれることを心から願っています!
🌟 野球ソムリエが実践する「グローブ型付け」3つのこだわり
私のグローブ型付けのポリシーは、プレイヤーの未来と道具の最長寿命を考慮したアプローチです。
- 1. 湯もみは「極力なし」が基本
- 革本来の「ハリ」と「コシ」を最大限に保つため、原則として湯もみは行いません。
- グローブを使い手が自身の握力で「育てていく」過程を大切にし、道具の耐久性を高めます。
- 2. 例外的な湯もみ導入の判断基準
- 握力不足が予想される小学生以下の選手や、中学生の女子選手に対しては、柔軟な捕球動作を優先し、例外的に湯もみを施します。
- 「すぐに捕れる」状態にすることで、上達の初期段階での”捕球の楽しさ”をサポートします。
- 3. プレイヤーに合わせた「型」の追求
- 内野手用、外野手用、投手用などポジション特性に加え、手の大きさや**捕球スタイル(掴む、当てるなど)**を考慮。
- お客様との対話を通じて、「道具の持つ力」と「プレイヤーの能力」が最大限に融合する理想の型を追求します。